安土往還記
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新免無二斎
安土往還記 著者 辻 邦生 新潮文庫刊
この物語は作者がヨーロッパで発見した名も無い船乗りの手紙という形をとって
語られる。
主人公は妻とその浮気相手の男を殺し、故郷に居られなくなり、
世界を放浪したジェノヴァ生まれの船乗りである。
彼はイエズス会の宣教師オルガンティノの護衛として1570年の初夏、
日本に辿りついた。
彼等は九州から堺を経て畿内へと入り、
彼等キリシタンを庇護してくれる一人の大名の元へ向かう。
「尾張の大殿(シ二ョーレ)」織田信長の下へ。戦国乱世に有りながら
純粋にこの世の道理を求め続けようとする信長の姿に共感をうけた主人公は
信長の要請を受け、彼のために力をつくすが・・・・。
この作品の面白いところは外国人から見た戦国時代であるというところです。
そのため、我々が他の小説で慣れ親しんでいる侍大将等の表記が無く
その代わり大将(ジェネラーレ)、総大将(カピターノ・ジェネラーレ)等の
表記が有ったり、Xin-gendono(信玄殿)の東方軍団、
西方のMori(毛利)軍団等の記述はまことに新鮮な感じがします。
信長好きの方にはお薦めです。合戦シーンは少ないのですが、
作品の完成度ほ非常に高くそんな事は全く気になりません。
文量もそれほど多くなく手軽に読めるのも嬉しいところです。
勿論、内容は非常に濃く、読み応え抜群です。
私がこの本を読んだのは高校三年生の夏で、
ちょうど大河ドラマで「信長」を放送していた事もあり、
その後一年程、織田信長にはまった事があります。
そのため、私の信長像はこの作品のものであるのです。
入手方法ですが、大抵の本屋には置いて在ると思います。
投稿本当にありがとうございました。