関ヶ原 家康と勝ち組の武将たち
戻る
濱野意忠
「関ヶ原 家康と勝ち組の武将たち」 加来耕三 著
立風書房 定価1700円プラス税
第一章 関ヶ原勝敗の研究
関ヶ原の合戦前後の全体像を記したもので、
東軍・西軍の大きな流れを判りやすく解説しています。
第二章 知られざる関ヶ原
合戦の2年前から合戦終了までのキーポイントとなった
出来事が細かく解説されています。
第三章 「勝ち組」
東軍参戦の武将達の生い立ちやエピソードが
詳しく、しかも判りやすく記されています。
第四章 「負け組」
西軍参戦の武将達の章で第三章と同じです。
第五章 「関ヶ原の総決算」
第四章までに取り上げられなかった人物や
その後の大阪の陣までが記されています。
この本の最大の特徴は、何と言ってもその判り易さです。
五線譜の中心の線に関ヶ原の合戦を配置し、
時間的経過や人物を上下の線に振り分けていますので
通常の解説書よりも誰がいつ、どういう心境や行動を
起こしたかが良く理解できます。
また、勝ち組の武将を誇張したり
負け→悪者といったイメージとは無縁の「公正」な
視点で書かれていますので、
結果論で書かれがちな歴史書の中にあって、
「どうしてそうなったのか?」がよく判ります。
この構成は、ヒーロー全とした武将のイメージを
持つ者には物足りないかも知れませんが、
本当の歴史とはこういったものではないでしょうか?
歴史に興味の無い方にでも自然に吸収されていく様な
素直で嫌味のない本です。
読んだ後に映画の様な感動がある訳ではありませんが、
じんわりと得した気分になれる本です。
近年読んだ本の中ではトップクラスのお勧めです。
値段が高いので、購入できない方は
図書館にリクエストしてでもご覧になると
よいと思います。
何度でも読みたくなりますよ。
では、また。
投稿本当にありがとうございました。