−7月の童話−

朝ごはんたべた?

たけしたふみこ:文

    つちだよしはる:え


きらきらあかるい夏の朝です。
ひろくんは、山のおばあちゃんのうちにとまりにきています
小鳥の声がにぎやかなので、いつもよりずっとはやく目がさめました。
おばあちゃんのうちの朝ごはんは、たきたてごはんに、おみそしる、たまごやき、トマトサラダです。
ひろくんは、たくさん食べました。
「ごちそうさま。外であそんでくるね」ひろくんは、にわに出ました。

犬小屋で、犬のポコが、しっぽをふっていました。
「おはよう、ポコ。朝ごはん食べた?」
「まだだよ。おなかぺこぺこ。なにかちょうだい」
そこへ、おばあちゃんが、ポコのごはんをもってきました。ポコは、おぎょうぎよく「おすわり」をしてから、ぱくぱくおいしそうに食べました。
犬小屋のよこには、小さい池があって、金魚がおよいでいました。
「おはよう、金魚。朝ごはんたべた?」


「まだだよ。おなかぺこぺこ。なにかちょうだい」
ひろくんは、金魚のえさをまいてやりました。金魚たちは、水の上にうかんできて、かぷかぷおいしそうに食べました。

にわのさくらの木に、すずめがとまって、おしゃべりをしていました。
「おはよう、すずめ。朝ごはん食べた?」
「まだだよ。おなかぺこぺこ。なにかちょうだい」
ひろくんは、おばあちゃんにごはんのつぶののこりをもらってきました。すずめたちは、地面におりてきて、つんつんおいしそうに食べました。

それから、ひろくんは、上をみあげて聞きました。
「おはよう、さくらの木。さくらの木も、朝ごはんたべた?」
「ああ、たべたよ。おなかいっぱい」さくらの木がみおろして、こたえました。
「さくらの木の朝ごはんは、なあに」
「お日さまの光と、水と、朝の空気さ」
「空気?空気なんて、おいしいの?」
「とっても、とっても、おいしいよ」 木は、はっぱのしげった枝をうんと空の方にのばしてみせました。
ひろくんもまねをして両手をあげて、うんと空のほうにのばしました。
「あ、ほんとだ。おいしい」
「そうだろ、そうだろ。きれいな山の空気だ。たくさんおたべ。」
枝をわっさわっさとゆらしながら、木はわらっていいました。